タイ北部の小さな町、ビルマとの国境地帯に近い場所にあるクンユアムを訪問。そこにあるタイ日友好記念館。
クンユアムは、メーホーンソーンの南約65キロの場所にあります。かつては、日本軍が駐留し、日本兵が野営を張ったり、現地のお宅にお世話になるなど、日本兵と現地タイ人の深い交流が結ばれた町です。
インパール作戦の失敗後、多くの日本兵がビルマ戦線で亡くなられましたが、戦争末期から終戦後、多くの日本兵がビルマ国境を通り、同盟国であったタイ国内に敗残兵として入ってきました。終戦後、枢軸国の一員で英米に宣戦布告していたタイも英米に従わざるを得なくなりました。
そんな中、ビルマからタイへ多くの日本兵が移動してくる中、コレラや飢え、傷病で亡くなる日本兵は大多数おりました。
かつて隊をおいていたクンユアムを目指し、敗残兵と化した日本兵。クンユアムにつき、クンユアムの人々の手厚いもてなしをうけました。治療、看病、食事や衣服提供等。
これは、それだけ日本兵の方々が現地タイ人に信頼されていたのもあります。慈悲深い精神をもった人々が多いタイですが、死にそうになり困っている日本兵を見ていられなかったのでしょう。
多くの日本兵がクンユアムでお世話になり、日本へ無事に帰国する事ができました。それら、日本兵は、水筒やヘルメット、毛布等を世話になった家庭それぞれに残していきました。
そしてそれら家族はそれらを大切に保管しておりました。
それから50年程たった1995年にクンユアムの警察署長として赴任したタイ人が、かつての日本兵とタイ人との交流に興味を持ち、私費を投じて、それらを集めて1996年に博物館をつくりました。そして8年前にクンユアム市に管理が委託され今にいたっております。
中には多くの展示物や写真があります。
クンユアムでお世話になった日本兵の中には現地タイ人と結婚し、それらの孫や曾孫が現在、日泰の混血としているようです。